5/30/17

言葉狩り



最近、謎な現象が起きています。

セッションにお申し込み下さるお客様とか
海外ドラマに出てくる登場人物とかの
初めて耳にする名前が
数日~数時間前にふと頭に浮かぶんです。


「?何だろう?誰だっけ?」
と思っていると
後ほどびっくりするわけです。

どうやら感覚的には
その瞬間に未来の時間軸を読み取っているみたいな感じ。
でも、デ・ジャ・ヴとは違うのです。
名前だけ。

本当に謎です。
また、身についてもあんまり役に立たない能力(こら
がついたみたいです。

きっと私に

「全ては同時に存在している」

と教えたいのでしょう。


ありがとう…(困惑





さて、
今、営業用のリーフレットに使用する
紹介文のお仕事をいただいて
取り組んでいます。

小説を書くという情熱はとうに冷めて
ブログを書いたり
友人に手紙を書いたり
そんなことで充分に満足の日々…だったのですが

こうして
「あなたの言葉で書いて欲しい」と言って頂くと
欲というものが出ます。笑

欲、と言うのは
言葉への欲、です。

書こうとすればするほど
「書こう」だけが延々と続き
言葉が一向に出てこないのですが

それを救うのはもちろん言葉なので
言葉を詰め込んだ抽斗をひっくり返し
あーだこーだと手持ちの言葉を
くっつけたり捻ったり…

しかしなんと在庫の少ないことか!!!
呆然としました。


そう、作家になるのを諦めてから
読書を怠け続けてきたので

昔いそいそと、言葉の森から採ってきた
珍しいキノコや万能薬のキノコ…
じゃなくって言葉、は
すっかり萎びて、見る影もなく…(よよよ

嗚呼、言葉が足らない!!!
なんという貧しさ!!!

と思って初めて
理解したものがありました。


私が、おそらく人生で一番愛している
『永遠と一日』
という映画があるのですが

主人公である、詩人のアレクサンドレが
自分が助けたアルバニア難民の少年に
「言葉を買う」という遊びを持ちかけます。

それは、
彼の故郷の偉大な19世紀の詩人ソロモスが
知らない言葉を教えてくれた者にお金を払った、という史実に基づき
アレクサンドレが、少年を元気づけようと考えた遊びでした。


少年は、街中の人々の会話に耳をそばだて
自分が知らない新しい言葉を聞き取ると
無邪気にアレクサンドレのところへ走ってきます。

アレクサンドレは、ふむふむ、と耳を傾け
いい言葉だと、少し多くお金を払います。

その言葉はときに
アレクサンドレの人生への後悔を喚起し
物語は過去へと流れてゆきます。


このシークエンスは、大好きだったのですが
今初めて
「お金を払ってでも言葉を得る」という
詩人達の言葉への飽くなき情熱と愛情が唐突に
私の内側から神経伝達のように外側へ広がっていきました。

理解、というと少しちがう。
追体験、というのともちがう。

あのフィルムに自分が重ねて映し出されたような
不思議な瞬間でした。


それからというもの、
本屋や図書館に赴き
言葉狩りをしています。

美しい言葉でいっぱいのバスケット、
想像以上の至福です✨




おまけ

この映画の中でも大大大好きな「バスのシーン」。
何度見ても、この世界への愛情でいっぱいになって、涙ぐんでしまいます。
シーンの最後にソロモスも出てきて詩を朗読し、こう囁きます。
「人生は美しい…そう、人生は美しい…」(号泣 ☜ あ、わたしがね



それでは、今日もラッキーハッピーデーをお過ごし下さい
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