8/10/16

闇を抱きしめる




最近
「陰陽」についての気付きやシンクロニシティが
どんどんやってきて、書き留めたいのに間に合わない。

Get in line !!! (T0T)


先日、母から

「今やっている番組、
 あづさと同じ事を言っているから観て」

と、メールがきました。

何のことだろう?

と思いテレビをつけると

ティク・ナット・ハン(ベトナムの僧侶。マインドフルネスの提唱者)
のドキュメンタリーでした。

ベトナム戦争時代からの彼の遍歴が
エピソードやリトリートの映像、彼の詩、言葉を辿って
淡々と描かれていました。


ティク・ナット・ハンは
凄惨なベトナム戦争を目の当たりにして
非暴力で差別撤廃を推し進めていたキング牧師と
愛で結ばれる共同体を作ろうとしていましたが

やがてキング牧師が暗殺され
ティク・ナット・ハンの同志であった若者達も惨殺され
自分の中に体験したことの無い大きな怒りを感じたそうです。

しかし彼は

「怒りや哀しみを、悪いもののように押さえつけてはいけない」

と語りながら

でももちろん、外に表すのではなく

「じっと自分の怒りを抱きしめるのです」

と語っていました。

「抱きしめ、宥めてください。」

と。


怒りは私達の一部で
それを否定すれば
歓びなども否定することになる。

闇がなければ光は存在出来ない。
だからこそ、悪いと思ったものを排除しようとしないように。
自分と正反対のものを、恐れないように。
自分が理解出来ないものを、切り捨てないように。


そういったことを、ずっと語っていました。


さらに、
政治や宗教への思想の違いにより言い争ったり、
やがて人を殺してまで思想を統一したいと思うことが
なぜ意味の無いことなのかを
蓮の葉の茎を手に持って説明していました。


一本の棒(蓮の茎)の右と左を、政治の右派、左派として見立てています。
茎を真ん中でつまんで持ち、こう説明します。

「そもそも
 私から見た右は、あなたの左です。
 あなたからみた右は、私の左です。

 さらに
 あなたが右派で、左派を排除したいと思ったとしましょう。
 さあ、あなたは左派を排除しました。」

そう言って、ティク・ナット・ハンは茎を真ん中で切りました。
そして残った右側の半分の茎を、また真ん中で持ち直し

「でも見て下さい。
 また左が出来てしまいました。」

そう言って、茎の左側を指します。

「何故なら、左はあなたの中にあるからです」


・・・(つД`)・゚・゚。゚。

うっかり号泣するところでした。(;-;)


実際
愛するものを失い、凄惨な時代を生き抜いて来た人が
このような視点で語る言葉というものは、

例えテレビを通していても
穏やかに、笑顔で話していても
絶対量の真実という重みを以て
心にまっすぐ届くものなんですね。


面白い聖書ジョークも披露していました^^


神が「ここに光あれ」と言うと
光は「私は待っているのです」と答えた
神が「何を待っているのかね」と訊くと
光は「相棒の闇を待っているのです。彼無しでは私は存在しませんから」と答えた

神が「でも闇はすでにここにあるではないか」と言うと
光は「じゃあ私ももうそこに居ますよ」と答えた


というものでした。

会場は笑いに包まれていましたが
私はオチの前にすっかり感動してしまって…(爆

特に

「相棒の闇を待っているのです。」

という下りに
思わず涙が…(ノ△;。)うっっっ

最近妙なことで涙腺が弱くなってきました。笑


最後に、本編で紹介されていた彼の詩が素晴らしかったので
文末に載せさせて頂きます。

わたしたちは、
光であり、闇であり
捕食者であり、被食者であり
被害者であり、加害者であり
ここに居て、同時にそこに居る
そのすべてがわたし

というような内容に
強く胸を打たれました。



「私を本当の名前で呼んでください」

私が明日発つと言わないで
なぜって いま もうすでにここに着いているから

深く見つめてごらんなさい 私はいつもここにいる
春の小枝の芽になって
新しい巣でさえずりはじめた
まだ翼の生えそろわない小鳥
花のなかをうごめく青虫
そして石のなかに隠れた宝石となって

私はいまでもここにいる
笑ったり泣いたり
恐れたり喜んだりするために
私の心臓の鼓動は
生きてあるすべてのものの
生と死を刻んでいる

私は川面で変身するかげろう
そして春になると
かげろうを食べにくる小鳥

私は透きとおった池で嬉しそうに泳ぐ蛙
そしてしずかに忍び寄り 蛙をひと飲みする草蛇

私はウガンダの骨と皮になった子ども
私の脚は細い竹のよう
そして私は武器商人 ウガンダに死の武器を売りに行く

私は一二歳の少女
小さな舟の難民で
海賊に襲われて
海に身を投げた少女
そして私は海賊で
まだよく見ることも愛することも知らぬ者

私はこの両腕に大いなる力を持つ権力者
そして私は彼の「血の負債」を払うべく
強制収容所でしずかに死んでいく者

私の喜びは春のよう
とても温かくて
生きとし生けるもののいのちを花ひらかせる
私の苦しみは涙の川のよう
溢れるように湧いては流れ
四つの海を満たしている

私を本当の名前で呼んでください
すべての叫びとすべての笑い声が
同時にこの耳にとどくように
喜びと悲しみが
ひとつのすがたでこの瞳に映るように

私を本当の名前で呼んでください
私が目覚め
こころの扉のその奥の
慈悲の扉がひらかれるように


ティク・ナット・ハン




今日も読んで下さってありがとう❤❤❤

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